Xリーグ パールボウルトーナメント 準決勝戦 VS オービックシーガルズ

2014/6/7(土) 11:00キックオフ @川崎富士見球技場
得点経過 スタッツ 個人記録 試合レポート
ノジマ相模原ライズ 10 - 21 オービックシーガルズ
7 1QT 7
3 2QT 7
0 3QT 7
0 4QT 0
得点経過
Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TEP PLAYER(S) G/NG Q TIME PLAY PLAYER(S) YARD TEP PLAYER(S) G/NG
1 03:21 INT #3佐久間 21 KICK #16出澤 G                
                1 10:30 RUSH #20古谷 8 KICK #1金親 G
2 09:57 FG #16出澤 25                
                2 14:44 PASS #6菅原→#85萩山 24 KICK #29長尾 G
                3 13:00 PASS #6菅原→#85萩山 3 KICK #1金親 G
スタッツ
15 (6 - 7 - 2) ファーストダウン(ラン - パス - 反則) 14 (2 - 11 - 1)
25 - 10 - 0 (パス) 試投 - 成功 - インターセプト 37 - 23 - 2
137Yds 獲得ヤード 233Yds
40 - 86Yds (ラン) 回数 - 獲得ヤード 40 - 21Yds
65 - 223Yds (攻撃) 回数 - 獲得ヤード 77 - 254Yds
8 - 21Yds (反則) 回数 - 損失ヤード 10 - 64Yds
1 - 1 (ファンブル) 回数 - 喪失 2 - 0
2 - 1 (フィールドゴール) 回数 - 成功 0 - 0
23:56 TIME OF POSSESSION 36:04
個人記録
RUSHING
NO. PLAYER ATT YARDS TD LG    
2 宮幸 崇 4 11 0 9
5 木下 雅斗 14 25 0 21
25 東松 瑛介 18 83 0 15
16 出澤 信 2 -35 0 -14
32 金子 泰徳 2 2 0 3
TOTAL
40
86
0
PASSING
NO. PLAYER ATT COMP INT YARDS TD LG
5 木下 雅斗 25 10 0 137 0 23
TOTAL
25
10
0
137
0
RECEIVING
NO. PLAYER NO YARDS TD LG    
1 中田 結 1 18 0 18
2 宮幸 崇 1 5 0 5
15 出島 崇秀 1 16 0 16
88 大滝 裕史 3 33 0 14
87 原田 大輔 1 14 0 14
7 井本 圭宣 3 51 0 31
TOTAL
10
137
0
TACKLE
NO. PLAYER TACKLE YARDS SACK      
90 伊倉 良太 3 6 1
70 木村 圭祐 2 0 0
52 鈴木 修悟 6.5 0 0
92 守屋 一歩 1.5 0 0
9 矢口 俊太 3 0 0
3 佐久間 徹 6 0 0
6 ロカ カノンガタ 5 0 0
22 河石 泰 3.5 0 0
23 北村 雅史 2.5 0 0
41 増山 純季 1 0 0
99 木村 健太朗 0.5 0 0
47 櫻井 宏介 1 0 0
11 財津 弘彬 1 0 0
TOTAL
36.5
6
1
INTERCEPT
NO. PLAYER INT YARDS TD      
3 佐久間 徹 1 21 1
6 ロカ カノンガタ 1 0 0
TOTAL
2
21
1
PASS CUT
NO. PLAYER CUT          
5 木下 雅斗 2
22 河石 泰 1
TOTAL
3

試合レポート

2014年の春の社会人王座を決めるパールボウルトーナメント。順調に駒を進めてきたライズは準決勝戦で昨季Xリーグ王者のオービックシーガルズと対戦。悲願の日本一を勝ち取る為に、どうしても越えなければならない大きな壁。秋の本番を前に、ライズが王者に対してどんな戦いを見せてくれるかに注目したい。

1Q

1Qはライズのリターンから試合開始。ライズの先発QBは#5エース木下雅斗(立命館大学)。日本代表RB #2宮幸のランを軸にダウンを更新し、自陣22y地点から敵陣に侵攻するもパントへ。この日最初の守備機会で、DB#3佐久間徹(名城大学)が、オービックQBのパスをインターセプトし、そのままエンドゾーンに走り込んでタッチダウン!! キックも決まって7-0と、ディフェンスのビッグプレーで待望の先制点を奪取したライズ。その後も、ライズ守備陣はオービック攻撃陣に前進を許さず、互いにパントを蹴り合う展開に。残り時間6分、オービックのパントをライズリターナーがファンブル、それをオービックに押さえられ、自陣でのディフェンスを余儀なくされてしまう。試合巧者の昨季王者はエースWR #18木下へのミドルパスでライズゴール前に侵攻すると、最後はRBにエンドゾーンに走り込まれて失点。キックも決まって7-7の同点とされる。続く攻撃は簡単にパントに追い込まれ、嫌なムードが漂う展開に、ライズディフェンスが奮起。新人LB #9矢口俊太(東海大学)のタックルで相手の出足を止めると、続くプレーでライズ DB #6ロカ・カノンガタ(サンディエゴ大学)が相手のパスをインターセプト!! 攻撃権を奪い返す。このチャンスを得点に結びつけたいライズは日本代表RB #25東松瑛介(立命館大学)のラン、WR #15出島崇秀(久留米大学)、WR #88大滝裕史(立命館大学)へのパスで前進し、フィールドゴールのチャンスを得たが、キッカー#16出澤信(早稲田大学)の30yのキックはゴール右に外れ、惜しくも追加点ならず、1Qは同点で終了。


2Q

2Qはお互いの守備陣が踏ん張り、パントを蹴り合う展開に。残り9:26、自陣14yからのライズの攻撃はRB東松のラン、WR大滝へのパス、そして副将としてチームを牽引するベテランWR #7井本圭宣(立命館大学)のスーパーキャッチもあり、オービック陣のレッドゾーン(※1)に進入。惜しくもタッチダウンはならなかったが、25yのフィールドゴールをキッカー出澤が今度は確実に決めて3点を追加して10-7とする。リードを保ったまま前半を終えたいライズは、守備陣が体を張ったディフェンスでオービック攻撃陣にプレッシャーをかけ続けるが、2Q途中から登場したオービックのQB #6菅原が試合巧者振りを発揮。4thダウンギャンブル(※2)のパスプレー等も成功させて、ライズ陣内に攻め込むと、最後は24yのタッチダウンパスを決められてしまう。キックも成功して10-14と再びリードを許して前半を終了。


3Q

激しく雨が降るなか後半に突入。昨季王者から勝利をもぎ取るために早く追いつきたいライズは、守備陣が前半の好調さを持続させ、後半最初のオービックの攻撃において、再び4thダウンギャンブルを狙う1yのランプレーを完璧に止めてターンオーバーをもぎ取る!最高のお膳立てをしてもらったライズ攻撃陣だったが、オービック守備陣のプレッシャーも更に強まり、3アンドアウト(※3)に追い込まれてしまう。ここで、激しい降雨の影響か、パンターがスナップされたボールをファンブル。ボールは押さえたものの、自陣34ヤード地点からの守備となり、大きなピンチを迎えてしまう。ここでライズ守備陣が驚異的な粘りを見せ、オービックにタッチダウンを許さない。4thダウンとなり、オービックはフィールドゴールを選択するが、ここでも雨の影響か、スナップが乱れてキッカーがフィールドゴールを蹴ることが出来ず、オービックも追加点をあげることが出来ない。ディフェンスの踏ん張りに何とか応えたいライズオフェンスだが、オービック守備陣の分厚い壁をどうしても越えることが出来ない。QB木下のスクランブルランでダウンを更新するも、結局自陣からのパントに追い込まれる。ここでパンターがスナップされたボールを確保する際に地面に膝を着いてしまい、自陣27ヤード地点で相手に攻撃権を渡してしまう失態をおかす。ピンチを跳ね返し続けてきたライズ守備陣だが、パスでレッドゾーンに攻め込まれると、最後は4ヤードのタッチダウンパスを決められてしまう。キックも決まり、10-21と引き離されて3Qが終了。


4Q

いよいよ後のないライズだが、4Qになっても守備陣がオービックにプレッシャーをかけ続け、安易な前進を許さず、追加点を与えることなく味方の反撃を待つ状況に。期待に応えたいライズ攻撃陣は、自陣14ヤードからの攻撃で、QB木下・RB東松のラン、WR大滝へのパスで連続してダウンを更新し、オービック陣内に攻め込むが、後が続かず、結局パントで攻撃権を相手に渡してしまう。この後互いにパントを蹴り合い、試合残り時間7分からのオービックの攻撃。ここでもライズディフェンダーのタックルは、オービックに刺さり続け、効果的な前進は許さないが、反則での罰退もあり、試合巧者の王者に時間を上手く消費されながら、ズルズルと自陣ゴール前まで進まれてしまう。最後はライズゴール前でオービックのQBがニーダウンし、雨中の激戦に終止符を打った。

10-21というファイナルスコアで昨季王者オービックシーガルズへの挑戦を退けられたライズ。最後まで激しいタックルやパシュート(※4)で、多数の日本代表を擁し、ここまで2試合で156点を取ってきたオービック攻撃陣を21点に押さえたライズディフェンスは、紛れもなくリーグトップレベルにあり、秋の本番に向けて大きな期待を抱かせてくれた。半面、ライズのタッチダウンはDB佐久間のインターセプトリターンタッチダウンのみで、ライズが今期から取り組んでいるノーハドルオフェンスは、現時点ではオービック守備陣の堅固な壁を突き破ることが出来なかった。しかし、東松・宮幸の両エースRBのランプレー、QB木下の成長を軸に、ベテラン井本・大滝が支えるWR陣がそこに絡んでくれば、さらに緊迫した試合に持ち込める可能性は感じさせてくれた。ライズが真のチャレンジャーとして再び舞台に上がることが出来るかどうかは、全て今夏の取り組みにかかってくるだろう。ライバルを刮目させ、ライズファミリーを歓喜させるプレーを見せられるように、選手の、そしてチームの加速度的な成長を期待したい。

  1. ※ 1 「レッドゾーン」:エンドゾーンの手前20ヤードからゴールラインまでのエリアの通称。いわゆる得点圏
  2. ※ 2 「4thダウンギャンブル」:攻撃側が失敗した際に相手に攻撃権を渡してしまうリスクを冒して4回目の攻撃で1stダウンを取りにいくプレー
  3. ※ 3 「3アンドアウト」:攻撃側のシリーズが1度もダウンを更新できずにパントに追い込まれること
  4. ※ 4 「パシュート」:ディフェンス側の選手がオフェンスのボールキャリアーを追い込むために追いかけ、集まること