先日行なわれましたパールボウルトーナメント準決勝、オービックシーガルズとの対戦は10対21で敗戦し、ライズの春季シーズンは終了しました。川崎富士見球技場には多勢のファンの皆様にお越しいただき、激しく降り注ぐ雨と梅雨寒の悪天候の中、熱いご声援でチームを前へ前へと押し進めていただき、誠にありがとうございました。また、応援キャンペーンにも大勢の方に賛同、参加していただき、重ねて御礼を申し上げます。
今春のライズはオフェンスがノーハドルを本格的に採用したこと以外は、戦術面では大きな変化は見られなかったかもしれません。しかし、チーム内での個々の意識は確実に次のステップへ進もうと模索したシーズンでした。
土日に集って練習できる時間は、フットボール選手にとって、ごく僅かな時間でしかありません。日常の全体の約7割強の時間は各々で過ごし、個人で考え、取り組む時間です。その時間でどれだけ成長できるかが大きな鍵となります。その重要性を見直すとともに、チームで行動できる僅か三割弱の時間を、より大切に考え、取り組んできました。
チームプレーに終始するのではなく、個人個人がより強くなり、局面を打開していく。それはライズが次のステージに上がる為に、必ず克服して突き進まなくてはならない道なのです。
昨日の試合のVTRを何度も見直しました。決して負け惜しみではなく、これまで3対7の個人の差が5対5に大きく近づいていると実感しています。オフェンスラインは重鎮キースが欠場しているにもかかわらず、KJ、BJ擁する強力オービックディフェンスに対して予想以上に健闘していましたし、QB木下もこれまでよりも格段にしっかりと役割を果たしていました。ディフェンスも昨シーズン以上に激しいタックルを繰り返し、ボールを奪い、得点を奪い、オービックオフェンスをコントロールしていました。観戦していた方々には悪天候の中、ライズオフェンスがキャッチミスや反則を繰り返してしまったことが大きな敗因であるかのように感じられたかもしれません。ただ、さすがのオービックも反則やターンノーバーを繰り返していました。勝敗を分けたのは彼らが我々のミスを着実に得点に結びつけたことでした。奪われた21点全てが、私たちのスペシャルチームのミスや反則の直後の彼らのオフェンスにより奪われました。悔しいですが、流石としか言えませんし、言い換えればヘッドコーチである私自身の指揮官としての甘さです。よい勝負をしても勝たなくてはなりません。
繰り返しになりますが、今春の取り組みと優秀な新人達の突き上げにより、選手個々の力は着実にレベルアップしています。その個人の力を今夏を通じて、もう二段階レベルアップさせ、その強い個人を束ねてチームを創っていきます。
今季から採用したチームスローガン(今季限りのものではありません)"Fearless."には、「大胆に、恐れず勇敢に」という意味があります。この言葉通り、ライズはチームに関わる全員が失敗を恐れず、目の前の一瞬に全力を尽くしていきます。応援してくださる皆様に感謝の気持ちを伝える為には勝ち続けなくてはなりません。秋には必ず自分達の壁を打ち破るライズをお見せしますので、引き続き、応援の程をよろしくお願い致します。
Fearless.
ノジマ相模原ライズ
ヘッドコーチ 須永恭通